■ 弐 ■




















百鬼夜行とはこの事を言うのではないか!?















で、廊下は凄かった・・・・
いや、廊下と言わず教室と言わず校庭と言わず!!
所狭しと色々な物体が!!

「なんじゃこりゃ!!」
「ジーパン?」
「刑事??」
「知ってる人と知らない人がいるので、ソノ突っ込みは止めてもらいたい!!」

気持ち裏拳突っ込み。
でも手には箒。
微妙!!

「・・・・・・・・」
「壮観でしょ?」
「皆様、ハロウィンの意味をはき違えてらしゃるから・・・・・・ね?」

開いた口が塞がらない。
目の前の光景に、開いた口が塞がらない・・・・

今日はハロウィンだろ!?
●ちゃんの仮装大賞じゃないんだよ!!

「・・・・・・・・・七緒、気をしっかり持って、歩くぞ!」
「ダメだ、諫早・・・・イっちゃてる・・・・」
「根性ねーな!!」

暴言はかれても、返せない衝撃・・・・
目の前には・・・・

サルが横切った!!
そして、次々と白い全身タイツやら、ヒーロー果てには怪獣、侍、女子高生、ナース、スッチー、チャイナ・・・・・・!!

「おえっ・・・・・!!」
「こらっ皆さんに失礼でしょうっ広瀬君!」

危うく戻しそうになった!!
一条先輩の窘める声に、反論させろ!!
イヤ、だって!!
だってさ!
ちょいと奥さん!!
ゴッツイのやら年齢詐称高校生やらがアンタ、チャイナにスッチーナースって!!

「目が腐る・・・・!!」
「「同意見だが、口に出すな」」

足早にその場を去って、校舎へと足を踏み入れた。
外なんて比じゃなかった!!

「ひっ・・・・諫早様・・・!!姫、姫がいる!マリー・アントワネットがいる!!」
「心配スンナ、エリザベス女王もオスカルももいるから・・・・・」
「ぅおぇっ・・・・!!」
「吐くなっつの!!」

が、我慢の限界が近づいてきました!!
気が・・・・
三途の川が・・・・・・!!

お婆ちゃんが見えてきたところで、

「あ、七緒ちゃ〜〜〜〜ん!!」

聞き覚えのある声、
オアシス!!

目の前には、赤頭巾ちゃん。
もとい、憂崎央先輩だ!!

「うおーーーーーー!!オアシス!!目の保養!!ありがとう神様っありがとーーー!!」

がばちょっと先輩に抱きついた、俺。
きゃーーっと嬉しそうな声を上げる先輩。

「あ、そうだ〜〜七緒ちゃんに、あげる〜!」
「ん?」
「取り寄せておいたんだ〜はい!」
「おぉ!!」

手渡されたのは直径15cmの大きさのペロキャン!
よく映画や漫画や某ネズミランドにでしかお目にかかれないような大きなうずまきの飴だ!!
それも3本!!

「マジッすか!?」
「うん、ハロウィンだし!」
「あーーーじゃ!俺も!」

そう言ってポケットを漁って出てきたのは・・・・・・

「「「「・・・・・・酢昆布・・・・・・」」」」

俺としたことが渋かった!
いやだって、制服のポケットならもうちょっとマシなのが入ってたけど!
いや、飴かキャラメルしか入ってないけど!
だからって酢昆布はないだろ自分!!?

「・・・・ま、でも七緒ちゃんらしいや〜ありがと!!」

そう言って笑ってくれるウイ先輩。

うぅ・・・・!!
こんな可愛いならイイのに!!
こんなに可愛かったらイイのに・・・・・・!!!

「あははは〜〜〜七緒ちゃん泣いてるーーーりゅうのすけ、見て〜〜可愛いよね〜〜!?」
「そうだな・・・・」

うっそりと後に続いてやって来たのは、もう一人の狼・・・もとい、ライオン杜平龍之介だ。
一条先輩との狼違いと言えば、黒スーツに尻尾をはやして耳が付いている。
ちなみに、一条先輩の方は赤いブロックチェックのシャツにブラックジーンズの出で立ちだ。

「あ!って言うか七緒ちゃんスカートだ!!僕と同じ!!」
「似合いすぎです、ウイ先輩・・・・・」
「七緒ちゃんも可愛い〜あ、いさ君も可愛い〜〜!」
「貴方には負けますから・・・・・」

ドコまで似合うんだ・・・と言う可愛さだ・・・・
赤頭巾なんて似合うのはこの世にウイ先輩だけだな・・・・・うん・・・・!
さっき見たのとは大違いだ!!

「杜、今回スーツ?」
「何の捻りもないけどな、何か揃えるのメンドかったし」
「待て待て、俺のほうが何の捻りもありませんから!」
「だな・・・・そう言えば・・・杏滋、見たか?」
「いや、まだ」
「アイツは一工夫あり」
「・・・・・さすが杏滋!」

ニヤリとした杜平先輩に、感心したような一条先輩。
周りには熱視線とハートが飛び交っている・・・・・!

いや、分かるよ!
イイ男だって、見なくたって聞いたって分かるよ!
でもさ、お前ら男だろ!?
女子高生並みの黄色い甲高い声はヤメなされ!
声変わりはドコへ行った!?
変声期と言うものを知らんのか!?
だったらウィーンへ行け!!

「まーまーまーーーーーーーー!!」
「七緒ちゃんはボーイソプラノには向かないよね?」
「中身が中身ですからね」
「おーちゃん、こう言うのを俗物って言うんだよ、勉強になったね?」
「りゅうのすけ、ゾクブツって何?」
「・・・・・・・・広辞苑でも借りに行くか・・・・・・」
「??」

友人の筈の皆様方からの痛くもありがたいお言葉を貰って喜ぶ・・・・・・
とでも思ってんのかコラっ!?

「ま、取り敢えず先に進もう」
「だね〜・・・・と、俺はココまでだからまた後でね〜〜」

そう言って一条先輩は、ウイ先輩と杜平先輩と共に別行動となった。
手を振って行ってしまう。
ソノ後を数人の生徒がフラフラと花に誘われる蝶の如く付いていく・・・・・・・

「・・・・・・・・・・・殺虫剤は・・・・・」
「後でやるから、取り敢えず行くぞ」
「・・・・・・・・・・・・・・」

その根性、叩きなおしてーーー!!

未だ黄色い声が飛び交っている。
で、目に悪い汚染物質(ヒドイ)を横目にしながら手を引かれるがまま諫早さんの後を追った・・・・
すると、前方より先ほどよりも凄いざわめき・・・・・

何だ?

「な、何だ??」
「さぁ?」

立ち止まって、
騒がしいのが近づくのを・・・・・いや、通り過ぎるの待つように廊下の端によると

・・・・・・現れたのは?

「真路!タッキー!」
「や〜〜ん七緒ーーー!」
「広瀬君!!」

目の前に現れたのは、不思議の国のアリス特有の水色のワンピースの知隼さんと、
チャシャ猫の真路だった!

うっわ!
マジで可愛い!!

「真路めっさ可愛い!!」
「七緒っちも可愛いよーーー!」
「タッキー何その似合いさ!?」
「えへへ!って言うか広瀬君も凄い可愛いよ〜〜〜諫早とお揃いなんだね!?」

きゃいきゃいと俺も人の事言えないような声を上げながら、目の前の目の保養に感涙した!

涙が・・・・!
むしろ目が心が洗浄、浄化されるようだ・・・・!!
可愛すぎる・・・・!!

ぎゅっと2人に抱きつけば、勢いよくバリッと剥がされた。
現れたのは・・・・・・・・

「イカレ帽子屋に・・・・・三日月兎・・・・・・・・・」
「な〜にしてんのかな?」
「馴れ馴れしいですよ、広瀬君?」

帽子屋の生徒会副会長の樟賀先輩と、
シルクハットにウサ耳を付けた生徒会長様こと岸本先輩だ・・・・
英国紳士の格好がここまで似合う日本人高校生も珍しいだろう・・・・

やってることが紳士っぽくないけど!

2人の痛い視線と敵意を浴びて怯んでいると、
真路が手の平の付け根で樟賀先輩の顎を突き上げた・・・
油断したところの一撃、下手したら舌を噛んでしまう。

「ぐっ!」
「アンタこそ何すんのよ、アタシに触らないでくれる?」

冷たい真路の声に怯むことなく、腰に回した腕は剥がれる事もなく抱きすくめている。

凄すぎる執念だ!
さすが・・・・・さすがです!

ある意味感心していると、遠くから何かが駆けて来た。
奇声を上げて・・・・・・

「助けてーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」
「タケ!?」
「巳継?」

って言うか・・・・・!

「「「何ちゅー格好を・・・・・・・」」」
「巳継・・・・」
「竹林、趣旨変えか?」
「いやっ見ないで!!」
「「「「キモイ」」」」
「目の毒ですね」
「みっみんな!」
「ひど!」

それもそのはず、タケの格好は某ネズミさんの恋人さんの格好だ・・・
白いシャツと赤い水玉のスカートに白いパンツ。
明らかに笑い狙いだろう!
しかも足は黄色い大きな靴で、手には大きな白い手袋で耳には黒い丸いのが付いている。

「「「ぶふっ!!」」」
「笑わないで!」
「あ、じゃ〜〜もしかしてトモはミッキー?」
「うぅ・・・・・!ホントは俺がミッキーのはずが・・・・・・!」

泣くタケ。
超絶に滑稽だ!!

「じゃんけんに負けたんだな?」
「いつもなら負けないのに!」
「それだけ、井岡君も必死だったのよ」
「勝ち誇ってたな〜トモ」

知隼さんが苦笑を浮かべる。

ん?
井岡っちがミッキー!?
見たい!!見たいでーーーーーーーーーーーーっす!!

「諫早さん!見に行こう!」
「うっわ!」
「わ〜〜〜ん待って!」

走り出した俺に続くように走り辛そうに竹林も続く。
後を追おうとしたらしい真路が動けなくて何か叫んでいる、が・・・・置いてきてしまった。

ゴメンよ真路!!

で、数分も走らずにミッキー井岡を発見!
ついでに永井も発見!
ちなみにドナルドだ!水兵さんのセーラーを着ている。
しかもお尻はアヒルの尾だ!!
と、もう一人背の対人物がいた。
こちらは軍服着ている・・・・・

新たにイイ男登場ですか!!?

「や!井岡っち永井!」
「あ、広瀬に諫早・・・・と巳継」
「よっす!」
「ついでのように言うのは酷いわ!」
「オマケだもん」
「・・・・・・・・」
「ちょうどいいや!写真撮らせて!」
「「イヤ」」

永井がカメラを構えてそう言ったので、即答する俺と諫早さん。
いい事ないからね!!

「何でだよー!!」
「お前が写真撮るといい事ないからな!!」
「右に同じ」
「何を!?」

痛いところつかれながらも、反論しようとしたところで・・・・・

「また・・・・何かやらかしたのか?」
「ギクっ!!」

そのお声を聞いて、永井が固まる・・・・
目の前の人物は、腕を組んで小さな永井を威圧的に見下ろした。

「い、いやだな〜〜ぶぶぶ部長!」
「・・・・どもりすぎだ、南・・・・・・」
「・・・・・・・あはは・・・・・・さいならーーーーーー!!」
「あ!コラ待て!!」


逃げるが勝ち!
とでも言うように、永井が走り去る。
それを慌てて軍服さんが追いかけた。
走りながら永井が『絶対に写真撮るからなーーーーーー!』と叫んで、フェードアウト。

「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・で、もう一人の軍人さんは誰だったの?」
「永井のボス、報道部の部長で3年、中村慎吾先輩だよ」
「「っへ〜〜〜」」

井岡の説明に、俺とタケが頷く。

ってお前も知らなかったんかい!!

「そうだ・・・・・はい、あげる」
「「??」」

井岡が何かを思い出したようにポケットをゴソゴソして、手の平に乗せてくれた。
白い包装紙のいちごみるく。

「俺っコレ好き!!あんがと!!」
「いーえー・・・・じゃ、僕行くね?」
「おう!」
「あ、そうだ・・・・・巳継、香坂がさっきお前の事探してたよ」
「何!?もう生き返ったのか!?」

そう言葉を残してさっさと行ってしまう井岡っち。

生き返った・・・・・??

気きづてならない言葉に、タケを見れば心なしか青褪めている。
何だ??
誰だ??

「諫早さん、香坂って?」

貰った飴を口に放り込んでいる諫早さんに目を向ければ、

「今に来るよ」
「来る?」
「うん・・・・そろそろ来る・・・・・」

その言葉とともに、何かが目の前に現れた。
















バサリと音を立てて窓から飛び込んでくるい物体。


























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